ゴミ問題


はじめに

 絶え間なくゴミを出し続けることは、人々の悪い面である。世界人口の増加と共に、 消費量及び廃棄物量も益々増加していっている。それに伴い、化学産業からもより多くの有毒物質が発生され続ける。 ゴミについて二つ問題点が挙げられる。第一に、膨大な場所がゴミに取られるということ。第二に、ゴミから発生する有毒物質である。これらは今日、 世界各国で人類にとっての大変な問題とされている。そこで、ここにゴミ問題の現状と対策、今後の課題について述べようと思う。同時に、 ドイツと日本の相違点も挙げていく。

日常生活で目にすることが出来るゴミ(花見・東京都練馬区)

 まず、ゴミの種類から見てみると、日常生活で目にすることが出来るゴミと目にすることが出来ないゴミに分類される。 皆、毎日家庭やオフィス、レストラン等でゴミを出している。これらのゴミは紙やプラスチック、瓶、缶、木材、残飯の他、有毒なゴミ、 例えば薬、電池等で構成されている(図1参照)。

日常生活で目にすることが出来るゴミ
日常生活で目にすることが出来ないゴミ

発生源

  • オフィス
  • レストラン、居酒屋等
  • 道路、駅等
  • 公務 等
  • 工業
  • 工事現場
  • 発電所
  • 商業
  • 農業 等
  • 物質(固体)
    • 缶、瓶(ペットボトル、ガラス)
    • 包装材(ペーパー、プラスチック)
    • 雑誌等
    • 化学製品(洗剤、化粧品等)
    • 生ゴミ(残飯等)
    • 木材
    • 電池
    • 繊維 等
  • 沈殿した汚泥
  • 包装材(商業)
  • 木材
  • コンクリート、アスベスト等
  • 化学製品
  • 発砲スチロール等
  • 核廃棄物
  • 廃石 等
  • 図1

    これらが日常生活で目にすることが出来るゴミに分類される。そして、エネルギーの産出や商品製造、建築においてもゴミが発生する。 これらが日常生活で目にすることが出来ないゴミと言える。一方目にすることが出来るゴミの殆どは使用済みの包装材からなっている。 これらのゴミは紙や様々な種類のプラスチック、家庭で使用されている化学製品、金属、瓶等を混合したものである。 この多種多様なゴミをどうすればいいだろうか。金属や瓶、紙はまだ有用な原料だが、他のものと混合してしまうと、完全に再利用不可能である。

    そして、金属や木材、石油等の原料には資源に限りがある。ただ単に全てを捨てるという行為は、将来許されざる行為となるであろう。 しかし、もしこれらのゴミを家庭で分別出来たら、ゴミの一部が再利用可能となる。再利用されたゴミは、埋める必要がなくなる。 その為、日本でも、瓶や金属等の再利用が開始された。とは言え、ゴミの排出量を減少させるのが最善の解決策であろう。

    ドイツでは、1986年に廃棄物処理法が施行された。この法は、ゴミ排出の回避を最重要課題においている。 これは、包装材において特に重要なことだと言えよう。また、有害物質量を最小限に抑えるべきだとも書いてある。 そして、どうしても出てしまったゴミは、再生して有効利用すべきである(参照図2)。


    ドイツで1997年に再利用した包装材

     
    包装消費量 (d)

    再利用量 (d)

    再利用率 (%)

    ガラス

    3,087,430

    2,735,765

    88.6

    紙等

    1,480,782

    1,372,158

    92.7

    プラスチック

    822,218

    566,805

    68.9

    アルミ缶

    369,608

    312,123

    84.4

    牛乳パック類

    540,218

    420,246

    77.8

    アルミニウム

    46,154

    39,565

    85.7

    合計

    6,346,410

    5,446,662

    85.8

    図2 出典: Gruener Punkt, Duales System Deutschland GmbH

    再利用が無理なら、ゴミの回収や処理、加工等が必要となってくる。そして、最後に残されたゴミが埋め立てられる。この法律によると、 ゴミを出さないようにすることが最も大切なこととされているが、まだドイツでは完全に実現しきれていないのが現状であり、残念なことである。

    ゴミの処理は、次の二つの段階でなされる。まず、ゴミを洗浄し、有害物質の元となるものを取り除き、次にそれを焼却する。 ドイツでは、1896年からゴミの焼却を行っており、現在では、世界中至る所で行われている。ゴミは焼却されると、体積が減少するので、 ゴミの焼却はゴミ処理において良い方法だと言える。しかも、焼却の祭にはゴミの中に少量の紙が必要とされる。更に、焼却のときに発生する熱も使える。 焼却の祭に排出されるダイオキシンや他の有毒物質も大変な問題である。日本の焼却場は一日のゴミ焼却量が5d以下の場合、 特に規制されていない。その様な焼却場ではフィルターが殆ど使用されていないので、周辺でよく公害が発生される。これは、 例えば埼玉県で大きな問題として取上げられた。

    焼くことが出来ずに、残されたゴミは埋め立てなければならない。江戸時代前から、東京のゴミは埋立地に埋められている。 最近、三つの新しい埋立地にゴミを埋める。その「中央防波堤内/外側廃棄物処理場」と呼ばれている島の上で、メタン発電所もある。 それはゴミから排出しているメタンを使用している。しかし、その埋立地は今後10年の間に一杯になるそうだ。 東京都の東京湾の埋立地はすでに一杯になる。隣の埼玉県、千葉県と神奈川県の政治家が「東京のゴミはいらない」と言っている。 そうすると、今後どうなるだろうか。ドイツでも、新しい処理場または焼却場を建てる計画があると、 その付近の住民に「他の地域に建てて、ここはダメ」と拒否されてしまう。


    結論

    今まで見てきたように、ゴミ処理の問題では、ゴミを再利用することが本当にいいことだと思う。 もちろん、見えないゴミのことは、一人でほとんど変えられないことだ。しかし、ゴミを出さないようにするのは一番いい解決法だ。 これは誰でも自分の生活で出来ることだ。


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