往路
カフカスの旧ソ連の国々と対照的、ウクライナとその周辺はかなり安定で、どこからも入国できる。特に東にあるロシアと沢山の国境通過地点がある。ロシアからは列車でも車でも、そして夏には船でも入国できる。キエフなどの大都市から沢山のロシア行き列車がある。その列車はモスクワ・ボロネシ・サンクトペテルブルグやアドラー(ソーチに近い黒海にあるリゾート地)などの都市まで行く。しかし、ロシアの場合にはビザが必要で、そのビザはロシアの国境で手に入らないのでご注意。ビザがないと列車に乗れない。北のベラルーシ(ベロルシア)にも列車と車で行けるが、ロシアと同じくビザが必要で、そのビザは大使館だけでもらえるから勝手に入国できない。
ポーランドの場合には日本人はビザが要らない。特にワルシャワとクラクフからウクライナ行き列車が沢山ある。車でポーランドから入国するのは大変。国境の前には沢山の車とトラックが待って、マフィアに賄賂を払わないと全然進まない。それに加えて、検査は厳しい。
スロバキアとの短い国境の場合には、二つの国境通過地点がある。道路の通過地点はウジゴロドの郊外にあり、列車の通過地点はチョップ市の近く、そこにはスロバキアのコシツェからキエフ行き列車が国境を越える。徒歩でウジゴロドの付近にある国境を越えるのは無難だ:検査も待つ時間も厳しくない。スロバキアの場合には、日本人はビザが不要になった。
チョップ市の辺には、スロバキアばかりではなく、ハンガリーとも国境通過地点がある。ブダペストからキエフ行き直接列車はそこで国境を越えて、それ以外は車でも徒歩でもハンガリーから入国することができる。ビザは不要。
森林カルパートという山脈(西ウクライナ)には、ルーマニアとの国境通過地点があるが、外国人はそこで通過できない。唯一の外国人が使える通過点は Chernivtsi (Cernăuţi・チェルニヴツィ)という町に近いところだ。その北ブコヴィナという地方の中心から列車や車など北東ルーマニアへ行ける。一番近いルーマニアの大都市は南ブコヴィナの中心Suceava(スチャヴァ)だ。ビザが最近不要になった。ご注意:モルドヴァの南にあるドナウ川のデルタの地方には、ルーマニアとウクライナの間の国境があるが、通過地点がないので直接通過できない。
モルドヴァ共和国(モルドバ)とは様々の国境通過地点があるが、その場合には色々な問題点がある:
・ビザが必要。それをもらうのはかなり手間かかるし、日本には大使館がない。
・色々なウクライナの国内列車(例えばオデッサからチェルノフチまで)は途中でモルドヴァ共和国の領域に入る。それはウクライナ人とモルドヴァ人にとって問題ではないが、モルドヴァのトランジット・ビザを持っていない外国人にとって大変な問題になる(高い賄賂を払うか途中で降ろされてしまう)。用意したほうがいいし、切符を買うときにはその列車はモルドヴァの領域に入るかどうかとチェックしたほうが良い。それに加えて、沢山のウクライナとルーマニアの間の列車はモルドヴァを通過する。?ドニエストル川とウクライナの国境の間の狭い領域は「沿ドニエストル共和国」という一つの他国も承認していない国がある。ロシア人とウクライナ人が多い沿ドニエストル共和国はロシアの軍隊の救援を受けてモルドバと内戦して、1990年に独立を宣言した。首都はТирасполь(チラスポリ)だ。承認されていない国なので、当然ながらビザがない。その代わり、モルドバのビザがないと通過できない。それに加えて、ウクライナから入るとものすごく高い賄賂が必要だと色々な人から聞こえた。それについての詳しい情報は沿ドニエストル共和国とその旅行の旅行記を参照。
オデッサからキシニョフ(キシナウ)というモルドヴァの首都行き列車があるが、その列車はТирасполь(チラスポリ)を通過するので賄賂が必要らしい。
ドイツのベルリン(詳しく言うとリッヒテンベルグ駅)からキエフまで一日に一回直接の列車がある。その列車はキエフまで(シンフェロポリ行き直行車輌もある)行く。この列車はベルリンで夜9時42分出発して、フランクフルト(オーデル)・ワルシャワ・ルブリン・コベリ経由キエフまで行って、翌日の夜11時45分キエフの中央駅に着く。ポーランドを横断した後、この列車は午後1時ぐらいウクライナの国境に着いて、二時間ぐらい大きなホールに入る。旧ソ連の国々には鉄道の軌幅はヨーロッパより広いので、国境では車輌の輪拒が変化されている(スターリンはソ連が西ヨーロッパから列車で侵略されるということを恐怖したので、ソ連の鉄道は違う)。ロシアからベラルーシ(ベロルシア)を入国するとき、ブレストという町でも同じことが行うが、その場合には乗客が列車を降りることができる。ウクライナに入るときには、列車を降りることが禁止されている。ベルリンからキエフまでの切符は割引がないと全部で100ユーロ(約1万3千円・片道)かかる。その値段には、22ユーロの寝台指定券が含まれている(この列車は寝台しかない)。ベルリン⇔キエフの列車は古いソ連の列車だが、修理されたばかり。その為、古いソ連の列車よりスペースが少ない。全ての車室は三人専用。
もちろん飛行機でウクライナへ行く可能性もある。それはモスクワ経由または中央ヨーロッパ経由で一番楽。キエフのボリスポリ空港はウクライナの一番大きな国際空港だが、オデッサなどの大都市までも国際フライトがある。日本から直接の便がないらしい。ヨーロッパなら、特にオーストリアとドイツからウクライナへのフライトが非常に多くて、だいたい往復で3万以上になる。
ウクライナを入国するときには、時差に注意しよう。日本との時差は+7時間(夏に+6)、西から入ると時差はマイナス1時間、東へ行くと時差は+1または+2時間だ。
ビザ
旧ソ連の諸国の国民以外には誰でもビザが必要だ。ウクライナの場合には、色々なビザのタイプがある。それはビジネス・ツーリスト・個人とトランジットのビザだ。ツアーでウクライナへ行く場合には、旅行会社にツーリスト・ビザの発給を任せる可能性がある。ツーリスト・ビザでは、在ウクライナの旅行会社やホテルなどの証明書が必要だ。個人旅行者にとって、プライベート・ビザが一番手に入りやすい。その場合には、ウクライナからの招待状が不要になった。それに加えて、ごく最近、日本人ならビザは無料だということになった(他の国籍なら、大体50ドルになる)。そのビザを使うと、一回しか入国できない。有効期間は一ヶ月だ。
在日ウクライナの住所は 〒104-0046 東京都港区西麻布3-15-6 で、六本木に近い。ホームページは
http://www.ukremb-japan.gov.ua/jap/。ビザを発給するのは一週間ぐらいかかって、郵便で送るともっと時間がかかる。ヨーロッパでもそれぞれの国にあるウクライナの大使館でビザがもらえるけれども、それはかなり手間かかる。ビザをもらうためには次の書類が必要だ:
- ウクライナを出国する後に少なくとも一ヶ月の有効期間のある旅行券
- 記入された申請書。その申請用紙は上述のホームページからダウンロードできるが、英語版しかない。その書類を記入することは簡単だが、ウクライナの連絡先が必要だ。その連絡先は大使館が確認しないが、有効な住所を出したほうが良いだろう。しかし、本当に書類に書いた住所へ行く必要性がない。ウクライナにいるとき、どこへ自由に行ってもいい。ロシアと対照的、ウクライナを旅行する旅行者は警察で登録をすることが不要。
申請書と共に一枚のパスポート専用の写真が必要。
- ウクライナに行くとき、健康保険が必要だ。しかし、日本の健康保険は無効だ。その代わり、強制加入保険がある。それは日本でもらえないが、列車・飛行機・徒歩で入国するときに簡単にもらえる。一ヶ月の有効期間の保険は13ユーロ(約1800円)になる。強制加入保険証とパスポートはウクライナにいるときにずっと携帯したほうがいい。
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