|
|
|
前書き:
ブルガリアは日本で「ヨーグルトの国」と呼ばれているが、それは相応しいあだ名だろうか。
ブルガリアにはヨーグルトとヨーグルト入り料理が確かにあるが、 隣国でも中央ヨーロッパなどでもヨーグルトは伝統的な料理の大切な部分だ
と言える。このヨーグルトはブルガリアに輸入されたものかまたは ブルガリアから輸出されたものだろうか。ブルガリアの地方は確かに
ヨーグルトの地元で、ヨーグルトを作るための乳酸菌は lactobacillus
bulgaricus と呼ばれている。 それにもかかわらず、ブルガリアで非常に美味しいヨーグルトがあるわけではなく、
トルコ・グルジア・ドイツなどの国にもおいしいヨーグルトとヨーグルト入り料理が沢山ある。 現況を見ると、ブルガリアは世界でヨーグルトより香料とブドウの生産で有名だ。
バラ油なら、ブルガリアは45パーセントを生産して、ブルガリア製のバラ油は世界の第一。
それに加えて、ブルガリアは世界の一番大きいラベンダー油の生産国だ。
ブルガリアのワインもヨーロッパで有名で沢山の国に輸入されている。 そう考えると、ブルガリアは「薔薇の国」と呼んでもいいだろう。
バラは特にバラの国という真中にある長い谷に栽培されている(参照:→カルロヴォ)。
ビザ:
日本人はビザが不要になったので、勝手に入国することができる。
|
10レヴァのお札
|
お金:
ブルガリアの通貨はレフ(複数:レヴァ)と呼ばれて、補助通貨はストティンキと称されている。
1991年ぐらい、古いお金が廃止になって、新しいお金が導入された。しかし、 90年代の経済の悪化と共に行った激しいインフレのせいで、そのお金はすぐ使えなくなった。
そのため、 1999年にはデノミが行われ、また新しいお札とコインが導入された。 その新しいお金はドイツ・マルクと連関しているので、安定になった。
ドイツ・マルクとのレートは1:1であったが、マルクはユーロになったのでユーロと連関している。 そのため、1ユーロは1.93レヴァで、1レフは0.48ユーロ(夏2003年現在)。
ATM(現金自動支払機)などがあって、為替の闇市場がなくなった。
その決まっているレートよりいいレートを提供する人は絶対ペテン師だからご注意。 そして偽警察もあるので、誰にも財布を表さない・あげないようにしよう!大都市、
そして高級のホテルとレストランならクレジット・カードが使える。 日本円よりドルとユーロが普及している。
1999年前のお金は無効になった。コインでは、1・2・5・10.20・50・100ストティンキのコインがある、
お札では1・2・5・10・20・50・100レヴァのものがある。 ご注意:ブルガリア以外でブルガリアのお金を両替するのは無理らしい。
隣国のマケドニアさえでレヴァを両替する場所がほとんどないので、ブルガリアにいる間に使い尽くすか
再両替したほうが良い。
物価:
ブルガリアは相変わらずヨーロッパで一二に安い国だ。 まず宿泊について。
もちろん、ブルガリアではホテルなどが沢山ある。しかし、外国人は普通の値段の2倍を払う場所もあるので、
気をつけたほうがよい。大都市なら、一つ星から五つ星まで何でもある。ホステルなどの安宿があまりない。
黒海の海岸沿いの地方(特にヴァルナとブルガスの辺)ではリゾート地が多くて、 予約せずリゾート地のホテルに泊まることは難しい。その代わりに、その周辺にはきれいなキャンプ場もたくさんある。
ホテルよりプライベート・ルームという民宿で泊まるのは大変お勧め。 町の案内所は民宿を仲介すると、直接のほうが安い。そのため、列車またはバスで着くとき、
プライベート・ルームを提供する人を探そう。民宿の部屋はだいたい清潔で、 トイレとシャワーは家族と共用。一人で200円〜1500円までぐらいになる。
民宿で泊まるのは東欧の他国と同じく一石二鳥:安く泊まれて、ブルガリア人と知り合うチャンスだ。 外食することも列車とバスで国内移動をすることも
値段が安くて質がだいたいびっくりするほどいい。量が多い食事で300円以下とエスプレッソ一杯で30円だけを払っても
ちゃんとできたもので「安っぽい」ということがほとんどない。 海岸のリゾート地では物価はそれより高いのは当たり前だ。
往路:
日本からはブルガリアまでの直接便がないので、少なくとも一回乗り換えることが必要。
一番早くて安全なのはパリまたはフランクフルト・ウイーン・経由のフライト。 ヨーロッパのほとんど各首都から→ソフィアまでの便がある。
ブルガリアの国立の航空会社は「Balkan Airlines」という会社で、一言で言うとヤバイ。
バルカン・エアで二回行ったとき、いつも遅刻してサービスも最低だった。 それに加えて、→ブルガスに着陸したとき、死の恐怖に襲われた:主翼の隣の席に座って、
着陸の数秒前には飛行機は突然すごく揺れて主翼は危うく滑走路を触った。 この航空会社のスローガンは「Wings
of Challenge」(挑戦の翼)ということで、 この航空会社で行くのは確かに本格的なチャレンジだと思った。
もちろん、列車と車でも入国できる。国際列車なら、ギリシア・トルコ・ユーゴスラビアと
ルーマニアからブルガリアまで行ける。直接列車は→ベオグラード・ザラトフ(ロシア)・
→キエフ・モスクワ・
→イスタンブール・→ブカレスト
とテッサロニキまで走る。 マケドニアまでは列車がないので、→セルビア
またはギリシア経由行かなければならない。 バスなら、ソフィアからマケドニアの→スコピエ首都までのバスの運賃は20レヴァで、所要時間は5時間半だ。
それ以外は、マケドニアなどまでの国際バスもある。 特にバスまたは車で入国するとき、わいろにかかってしまう可能性がある(自分で行ったとき、
トルコの国境は大丈夫であったが、ギリシアとの国境ではわいろを払わないと入国できなかった)。 空港で着くと、そして列車で入るとわいろが必要ない。
国内移動はあまり問題ではない。列車とバスが沢山あるので、そして運賃は非常に安いので移動しやすい。
ブルガリアという国はあまり大きくなくてコンパクトなので、国内移動はあまり時間がかからない。 列車なら、ソフィアという西にある首都から東岸の→ブルガスまでは7時間、
→ヴァルナまでは8時間かかる。それはブルガリアで一番長い所要時間。
バスの場合では、短距離ならおんぼろバスがかなり多いが、長距離バスは最高だ。普通のバスで行くと、運賃は
運転手のところで払うべき(普通は運転手の隣に責任者が座っている)。 最近、バスは列車より早くて便利になってきたので、両方をチェックしたほうがいい。
特にソフィアなどでの市内バスの場合には、バスの中で払えないので違う場所で切符を買うことが必要だ。
そのことをわからなかった私はソフィアのバスに乗ったとき捕まれてしまった。 「キセル乗車するでしょ!罰金を食わせるよ」と言われて、
「いや、乗ったばかりで、どこで切符を買えるのはわからなくて運転手のところでもらえなかった」と答えた。
相手は頑固に罰金を取りたかったが、他のブルガリア人の乗客は彼をしきりに説いた: 「彼は外国人で、そういう制度をわかるはずないでしょ!だから罰金を科するのは不正だよ!」。
すると車掌はギヴアップした(ちなみにその罰金は約100円だった!)。
国境通過点:
様々な自分で体験したブルガリアの国境通過点について(もちろんそれより もっとがある):
ブルガスの国際空港:
一番快適かつ安全な入国方法かもしれない。
ジュルジュ (ルーマニア) → ルセ:
ルーマニア側のジュルジュ市からやや遠いので自分の車がないと難しい。一日中3本ぐらいの列車が通過する。
検査自体は無難。ブルガリア側から8キロ離れているルセ行きバスがある(0.4レヴァ)。徒歩でも自転車でも通過できる。
クラタ (ギリシア) ― サンダンスキ:
ソフィアとテッサロニキの間にある。近況はわからないが、1996年には入国するときにわいろが必要だった。
列車でも車でも通過できる。
ギュシェヴォ ― スコピエ方面(マケドニア):
検閲が厳しい。バスを降りて開いた荷物の前に整列。いじめみたい。しかし、検問は外国人の旅行者に全く興味がない。
マルコ・タルノヴォ ― キルクラレリ(トルコ):
森林の中にあるプチ通過点。 両側では国境までの共用交通機関がないのでヒッチハイクだけで行ける。
周りの景色は素晴らしくて、それを見るためだけには出入国はお勧め。あまり無難だが、トルコ側では短い診療(顔を見るだけ)などが
あるからちょっと手間かかる。
国内移動:
上述のように、列車があるが、バスのほうが早くて近代的。運賃はあまり変わらない。長距離バスは途中でよく休憩するために止まるので
快適。タクシーはどこでもあるが、しつこい運転手が多い(バルカン半島へようこそ!)。
|
伝統的なブルガリア料理
|
食事:
前書きに書いてあるように、ブルガリアではヨーグルトはよく使われているが、ブルガリア料理という言葉を聞くと、まず
「羊のチーズ」が 頭に浮かんでくる。それは「Сирене」(スィレネ)
と呼ばれて、本当によく使われている。そのチーズでポテトフライさえかけられている! それ以外は豚肉、トマト・キュウリ・茄子などの野菜、そしてハーブとオリーブ・オイルがよく使われている。
沿岸では、魚料理が多い(だいたい焼いた魚)。東欧で有名なのはショプスカ・サラダという
オリーブ・オイル、キュウリ、ピーマン、そして羊チーズがのっているサラダだ。 キュフテというトルコの伝統的なミート・ボール(写真の右下)、そしてムサカというギリシアのグラタンなどの
料理も沢山ある。自分にとって一番気に入った料理は「Сирене по шопски」
(スィレーネ・ポ・ショプスキ)と呼ばれている(写真の左下)。それはトマト・卵・オリーブ・オイル・羊チーズが入って、
オーブンに焼いたもの。ハーブがたっぷりで、パンで食べると最高。ブルガリアのヨーグルトを挑戦したい方は
「Таратор」(タラトール、写真の右上)を食べてみよう。それは冷たいヨーグルトのスープで、
キュウリとハーブが沢山入っている。このタラトールは特に夏に最高。 それに加えて、「Мишмаш」(ミシュマシュ、写真の左上)というチーズやトマトなどが入っている煮物もある。
ミシュマシュは「ぐちゃぐちゃ」という意味で、見るとわかる。
ブルガリアでは、ワインは有名。しかし、甘口の赤ワインは一番多くて、それが好きではない人もいるだろう。
ブルガリア製のワインはヨーロッパでどこでも売られているが、どこでも「激安」というイメージがある
(美味しい種類もあるが、それはブルガリア以外に手に入りにくい)。続いて、ビールもある。 そのうち、ザゴルカ、ストランシャとカミェニツァは一番有名。隣国と同じく、
マスティカというアニスから作られている強いアルコールもあるが、
それの味はうざくて飲めない人が多い(ギリシアのウーゾとトルコのラク (参照: →トルコの旅行記、一番下のレストランについての文章)と同じアルコール)。
自家製のスリーボヴィツという梅の酒もあるが、70〜80パーセントのアルコール分で中々強いだろう。
高級レストランもあるが、普通の伝統的なレストランなら、一人で200円で満腹なる場所が多い!後300円を加えると、絶対酔ってしまう。
「はい」か「いいえ」?
一つのブルガリアへ行く前にわかったほうがいいことがある:頭を縦に振るは「はい」、横に振るのは
「いいえ」ということは万国共通だと思っている人が多いだろう。しかし、ブルガリアは反対で、 すごく慣れにくい。それは次のようなダイアログになってしまう:
(一バカ旅行者いわゆる私): |
ブルガスまで二つの切符ください |
(切符の売り場の人) : |
ブルガスまで? |
(私) : |
[頷く] |
(販売者): |
えっ、ブルガスと言ったでしょ! |
(私) : |
うん、そうだよ[また頷いてしまう] |
(販売者): |
[しかめっ面] じゃ、どこまで? |
(私) : |
ブルガス![真面目な顔だが、頭を振らず] |
(販売者): |
わかった。二つでしょ? |
(私) : |
[また頷いてしまう] |
(販売者): |
… |
等など… |
要するに頭を振らずただ「ダー」(はい)と「ニェー」(いいえ)のように答えるほうが安全だろう。
ブルガリアでは、かなり失礼な人が多そう。優しい人もいるが、特にレストランや店などの人は 全然親切ではなく、冷たいという印象を与える。少しこの国に残るとそれに慣れるかもしれないが、
最初にびっくりしてしまう可能性が高い。もちろん、最初から親切な人もたくさんいる。
|