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ルセまでの汗と涙の道のり
回の旅行で思い出のメインにもなりつつあるルーマニアからブルガリアの国境までの徒歩。
地図無く、ひたすら太陽に向かって歩いたことは個人的に残しておきたい。
私たちはルーマニアで4日間過ごして、次目指す国マケドニアに向かう為ブルガリアを通過していく事に決めていた。
この時私たちはまずルーマニアとブルガリアの国境、ルセに行こうと朝早くから列車に乗り込んだのだ。
しかし、その列車が一本で国境までに行く事は無く途中である駅で降りて乗り継ぎをしなくてはならなかった。
このとき、
と鷹を括っていた私達は清々しい気持ちでその列車を降り、
時刻表を見に行った。
すると、あり?あと3時間は次の列車が来ないらしい。
などと私はあまりそのことに対して重要視していなかったのだが、
マティアスは真剣にこの何も無い町で3時間過ごす事が嫌そうだというのが分かった。
とりあえず私は電車に乗っている間中トイレのことばかり考えていたのでトイレを探すことにして、
マティアスは駅の前にある一体何が売っているのかよく分からないカフェでコーヒーを飲んでいると話した。
トイレを探したのはもちろんこのカフェにトイレが無いから。
駅構内をウロウロして探していたがなかなか見つからないので、駅の人らしいおじいさんに尋ねることした。
と単語を上にあげて読むだけで通じるからありがたい。そうするとおじいさんはまるで ET のような手つきであっちだよと指を指す。
トイレは駅の構内ではなく外にあった。しかし私がそこに行こうとした時に大きな野犬が3匹
『よそ者だぁ!』
と吠え出した。
と叫ぶもあのおじいさんはもういないし、
結局私は逃げ出した。尿意に堪えながら、トボトボと私的にカフェと認めないカフェに戻ってマティアスに後で
一緒に来てもらう事にした。味のなんとも言えない珈琲を飲み干したところマティアスが
ウエィトレスのオバサンに
と聞いた。
と思ったが黙っていると、オバサンは一緒にいたお客さんに
と聞いた。お客のおじさん達は私たちのことを最初入ってきた時から時好奇心旺盛に見ていたので、
自分たちに話しが振られたことでかなり嬉しそうに、しかも得意気に
って教えてくれた。
と思い、
と自分から切り出してしまった。マティアスも
と張り切っていた。あの時・・あのおじさんから3キロと聞いたとき、私たち・・えっ?私だけ?・・
そう私は輝いていたね。嬉しかったね。とりあえず私たちは大きな犬が3匹待つトイレに向かった。
とトイレに向かったのだが、あれ???小さい犬が3匹。
しかも大きな欠伸をしながら寝ているよ。
いや・・もっと大きかったのよ・・あり?こんな子犬怖がるなんて不覚にもか弱い女の子ジャン。
しかも犬がいるところを通り抜けると、スナックなどを売っている売店があり、
一人だと思いあんな大きな声(日本語)を出して叫んだ私って。
だけど本当にこの国は野良犬がワンサカいるのです。まぁとりあえず、
トイレも行けて一安心。改めましてぇ3キロ先の国境に向かって出発進行なり!
地図は無かったのだが、マティアス曰く
とのこと。
と最初はそれでよかったのだが・・30分・1時間・・一向に国境らしき場所は見つからない。
線路はいつまでも続く・・そしてやっと次の駅についた。無人島駅に一人のオバサンあり。
で、国境の場所を確認。ルーマニア語だから、マティアスも分からないし・・当たり前私も分かるはずが無い。
で、オバサンの指指す方向をまた歩き出す。アヒル君たちのお買い物、黒い大きな牛を散歩させる一人の青年、
線路の上を足早に歩くおばさん、こんな風景を見ると
私のダウトが始まる。何時間歩いただろう・・だんだん人々の活気溢れる町に着いた。
この時点で3キロなんて当たり前過ぎており、
私はあの時のおじさんを少し恨んでいたのは言うまでもない。美味しそうな匂いがしてきて・・
彼が
と言ってくれた。私はその時かなりお腹が空いていた為、
と答えたが、彼はいいお店を探しているのだろう、レストランを素通りし歩きつづける。で、
何故か一番食べ物がありそうな市場は通りすぎ、再び人がチラホラとしかいないようなところへ行き、
などと言っている。私は彼の背中を見ながら
『ここら辺にあるわけな〜い!さっきの所が中心だぁ』
と少しずつ不機嫌になっていくのが分かったがもう後戻りも出来ないので後少しの我慢だと思って歩き始めた。
しかぁし!・・ここからが長い・・人間は一体時速何キロで歩くのか?とマティアスに質問をした。
小学校の時ならった算数の『みはじ』の公式が私の空っぽの頭に浮かんだ。はやさ×じかんは・・そうそう・・みちのり。
ぎゃッ!もう7キロ歩いてる?真っ直ぐの道を歩く・歩く・歩く。で、また町が見えてきた。
そこで、警察っぽい人に
と聞くと最初彼は
といったので、
という顔をすると・・
と訂正。
と本気で思ったが、これまた何キロ歩いても見当たらない。結論・・ルーマニア人は距離を分かってない!!!
適当に答えるんじゃな〜い!明らかに700メートルではなく、
最初の7キロの方が距離的に正解に近かったのじゃないの?!やっと・・やっと本当に国境に到着。
ルーマニア国境のおじさんたちは私達が徒歩で来た事をかなりビビっていた。
そりゃビビルよね・・私もルーマニア人の距離感覚にビビルよ。
その後、国境からヨーロッパで一番長いといわれる鉄筋の橋(2.8キロ?)を渡った。
もうここまで来たらしゃべる事も出来ない。今考えるとあの橋を徒歩で渡ったことはもっと
感動するべきことだったが、あの時の私は疲れ果てており・・何も考える事が出来なかった。
計14キロを私たちは重い荷物を持って休憩無しで歩いたことになる。3キロが14キロって何なんだ。
やっと巡り合うことができたブルガリアのルセは・・本当に綺麗な町だった。
ドナウ川に沈む夕日を見ながら、私達はやっとゆっくりとしたひと時を過ごす事ができた。
足には水マメが酷く暫く纏足を穿いた女性のような歩き方だったが、うん、
そんなことも少しは忘れさせてくれそうな景色だった。ブルガリア人は夜になるほど外に活発に動き初めて、
昼間よりも公園には子連れの親子がいたり、カップルがいたりと本当に賑やかで、
この皆のパワーは私をワクワクさせた。
旅人のページ内の関係あるリンク:
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